一日一本映画レビュー 『メン・イン・ブラック』
原題:Men in Black
公開:1997
監督:バリー・スタンフェルド
出演:トミー・リー・ジョーンズ ウィル・スミス リップ・トーン
SFをうんと楽しみましょう
以下感想。
めちゃくちゃ有名なエンタメSF映画、『メン・イン・ブラック』。
最近、マイティ・ソー役で有名なクリス・ヘムズワースが主演で最新作が公開された。(評価はあんまり芳しくなかったらしいけど)
恥ずかしながら今まで見たことなくて、100分の短尺ってことでサクッと観てみた。
ウィルスミスとトミーリージョーンズの2人のカリスマ俳優が仕掛けるエンタメSFは、突拍子も無いようで、実は観客に身近であるような設定と、キャラクターを存分に活かしたコメディによって、最高の時間を与えてくれた。
地球には昔から何べんも他の惑星の宇宙人が亡命してきていて、地球人に馴染んで暮らしているという設定。
とはいえ地球人にその存在が大っぴらになってしまうと混沌が起きるからってんで、秘密裏に地球と宇宙人との関係性を保ち、未知の脅威から地球を守る秘密組織、それが「メン・イン・ブラック(通称MIB)」。
トミー・リー・ジョーンズがMIBのエージェントで、ウィル・スミスがそれにスカウトされる刑事という設定。
ウィルスミスの演技がホンマにコミカルで楽しい。
MIB試験のシーンとかめちゃくちゃ面白かった。
こういう試験シーンって主人公の才能を際立たせる役割が強い。
時に、すごく「主人公つえええ」の陳腐なものになってしまうことがあるんやけど、今作のものは一切嫌味がなくて、素直に元気をもらえるコメディなのが心地よ過ぎる。
1なので、世界観を構築して観客を没入させないとあかんわけやけど、それをかなりテンポよく、無駄なく行っている。
ストレートで捻りの薄い脚本で小気味よく進めながら、話の核となるポイントを簡潔に説明し、世界観の根拠の構築にこだわっているから、100分未満の映画なのに「意味不明」がほとんどない。その中でしっかり一つの脚本の起承転結を完遂するんやから素晴らしい。
マルボロを土産に帰る宇宙人、ピロシキを頼む宇宙人、など細かい「人間味」がユーモラスで、意外と丁寧に世界観を作っているから、何度も巻き戻して見直したくなるようなシーンが沢山あった。
腕から
腕からわしゃーとゴキブリを出す敵とか、絶妙なグロさもSFっぽくていい。
SFの楽しさをわかりやすく楽しめるっていう意味でとってもいい作品。
コミカルに大きく振っていると思わせつつも、しっかりと作られた脚本に驚かされた。必要な部分をしっかり誇張し、不要な部分を自然にカットする、あだち充並みの無駄のなさ。
未知の世界を、思いっきり楽しもうという気概が作品から伝わってくる、とっても楽しい一本でした。
エンタメ:☆☆☆☆☆
テーマ :☆☆☆☆★
バランス:☆☆☆☆★
好き :☆☆☆☆★
計 17/20